68.2 リモート管理コンポーネントの理解

次の節では、リモート管理コンポーネントの機能の理解に役立つ情報を説明します。リモート管理操作を実行するためには、管理対象ワークステーションにリモート管理エージェントをインストールする必要があります。

68.2.1 リモートコントロールの理解

リモートコントロール機能を使用すると、管理対象ワークステーションを管理コンソールからコントロールし、ユーザ支援を提供したり、ワークステーションの問題解決を手助けしたりすることができます。

リモートコントロール機能は、管理コンソールと管理対象ワークステーションの間に接続を確立します。リモートコントロール接続を確立することで、リモートオペレータは管理対象ワークステーションを参照するだけでなく制御することもできるようになります。詳細については、セクション 70.2, Remote Controlセッションの管理を参照してください。

68.2.2 リモートビューの理解

リモートビュー機能では、管理対象ワークステーションに接続して、管理対象ワークステーションを制御する代わりに、そのデスクトップ情報を表示することができます。これは、ユーザのワークステーションで発生している問題を解決する際に役立ちます。たとえば、管理対象ワークステーションのユーザが特定の操作を実行している様子を監視し、その実行方法が間違っていないかどうかを確認できます。詳細については、セクション 70.1, Remote Viewセッションの管理を参照してください。

68.2.3 リモート実行の理解

リモート実行機能により、管理コンソールから管理対象ワークステーション上のプログラムを実行できます。プログラムが管理対象ワークステーション上のパスにある場合は、[リモート実行]ウィンドウにプログラムの実行可能ファイル名を指定すると、アプリケーションをリモートから実行できます。プログラムが管理対象ワークステーション上のパスにない場合は、アプリケーションの完全なパスを入力します。詳細については、セクション 70.3, リモート実行セッションの管理を参照してください。

診断機能から起動される[環境]ウィンドウからパス情報を判断できます。詳細については、セクション 71.3, 環境情報を参照してください。

68.2.4 リモート診断の理解

リモート診断機能により、問題の解決に要する時間が短縮されると共に、問題の発生しているワークステーションまで技術者が出向くことなく、問題を抱えているユーザを支援できるようになります。デスクトップを稼動させたまま診断を実行できるため、ユーザ側の生産性も向上します。詳細については、診断情報の表示を参照してください。

診断機能では、リアルタイムの情報が提供されるため、リモートオペレータがワークステーションの問題を診断できます。Windows 2000/XPの管理対象ワークステーションについて利用可能な診断情報のリストを、次に示します。

  • Windowsメモリ
  • 環境
  • ネットワークプロトコル
  • ネームスペースプロバイダ
  • イベントログ
  • デバイスドライバ
  • サービス

68.2.5 ファイル転送の理解

ファイル転送機能により、管理コンソールと管理対象ワークステーション間でのファイル操作を実行できます。

ファイル転送機能を使用すると、管理コンソールと管理対象ワークステーション間でファイルを移動したりコピーしたりすることができます。管理コンソールと管理対象ワークステーション上で、ファイル名の変更、ファイルの削除、ディレクトリの作成も行うことができます。[ファイル転送]ウィンドウには、管理コンソールと管理対象ワークステーション上のファイルとディレクトリのプロパティを表示することができます。ファイル転送機能では、管理コンソール上の関連付けられているアプリケーションを使用してファイルを開くこともできます。詳細については、セクション 70.4, ファイル転送セッションの管理を参照してください。

重要:ファイル転送プログラムでは、管理対象ワークステーション上の非固定ドライブにアクセスすることはできません。

68.2.6 リモート管理監査の理解

リモート管理監査機能は、管理対象ワークステーションで実行中の各リモート管理セッションの監査記録を生成します。リモート管理エージェントがインストールされている管理対象ワークステーションでは、このログ情報が監査ログとして維持されます。詳細については、セクション 70.8, リモート管理監査セッションの管理を参照してください。

68.2.7 Windowsイベントビューアによるリモート管理イベントの理解

Windows 2000/XPのイベントログ機能を活用して、管理対象ワークステーションで実行されているアプリケーションのイベントをログファイルに記録できます。イベントログを表示するには、イベントビューアを使用します。イベントビューアでは、アプリケーション、セキュリティ、およびシステムのログファイルが維持されます。リモート管理セッションのイベントは、アプリケーションのログファイルに保存されます。詳細については、セクション 70.6, Windowsイベントビューアによるリモート管理セッションの監査ログの表示を参照してください。

68.2.8 リモートウェイクアップの理解

リモートウェイクアップを使用すると、ネットワーク内の電源が切断されている単一のまたは複数のノードの電源をリモートから入れることができます(ただし、ノード上のネットワークカードのリモートウェイクアップ(Wake on LAN)が有効にされている必要があります)。オペレータは、この機能を使用して稼働時間外にノードを管理し、システムのメンテナンスやアップグレードのために発生するダウンタイムを最小限に抑えることができます。この機能を使用すると、システムをメンテナンスできる状態にしておきながら、節電することもできます。詳細については、セクション 70.1, Remote Viewセッションの管理を参照してください。