NetWareサーバパラメータのデフォルト値を使用することで、多くのシステムでは最大限のパフォーマンスが得られます。これらの値を変更する必要はめったにありません。ただし、これらの値を変更する必要がある場合は、最初に次の項目を参照することをお勧めします。
NetWareは、ネットワークサーバの特定の動作に対してすでに調整されています。非効率な箇所を識別するためのソフトウェアツールを使って徹底的にテストされており、そのような部分は排除されます。NetWareが標準で備えているパフォーマンスは、きわめて優れています。
NetWareは、自己調整を行います。次のパラメータは、オペレーティングシステムによって動的に設定されます。
特定の処理の負荷に対してサーバを調整するために、サーバパラメータ値を確認または設定できる3つのユーティリティが用意されています。
多くのSETパラメータ値は永続的であり、NetWareレジストリに格納されています。NetWareサーバは、デフォルト値から変更されたすべての設定を保持しています。電源を切って再起動しても、サーバを調整するために指定したすべての設定を元に、サーバの環境が設定されます。
SETパラメータの変更を明示して保持するには、各変更に対応するコマンドをSTARTUP.NCFファイルまたはAUTOEXEC.NCFファイルに追加します。これらのファイルを編集する手順については、「NWCONFIGを使って起動バッチファイルを作成および編集する」を参照してください。
SETパラメータ値を検索して確認または設定する方法は、ユーティリティ(NetWare Remote Manager、MONITOR、またはSET)ごとに少しずつ異なります。
NetWare Remote Managerにアクセスします。
ナビゲーションフレームの[Set Parameters]リンクをクリックします。
パラメータカテゴリをクリックします。
変更できるそのカテゴリ内のパラメータのリストが表示されます。
パラメータの説明を表示する場合は、値の横にある[Information]アイコンをクリックします。
SETパラメータが属するカテゴリが不明な場合は、NetWare Remote Managerの環境設定レポートを表示および検索します。環境設定レポートには、すべてのSETパラメータがカテゴリ別に現在の設定値と共に一覧されています。
変更するパラメータの値をクリックします。
パラメータの現在の設定値と、有効値の範囲が表示されます。
現在値のフィールドに新しい値を入力し、[OK]をクリックします。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
MONITOR
[Available Options]メニューの[Server Parameters]を選択します。
サーバパラメータカテゴリの説明を表示するには、<F1>を押します。
パラメータカテゴリのメニューに戻るには、<Esc>を押します。
パラメータカテゴリを選択します。
上部ウィンドウにパラメータが表示されます。各パラメータのフィールドを選択するとポップアップウィンドウが表示され、パラメータの説明、現在の設定値、および有効値の範囲が表示されます。
操作が終了したら、[Available Options]メニューが表示されるまで<Esc>を押します。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
SET
サーバパラメータカテゴリの番号付きのリストが表示されます。
表示するカテゴリの番号を入力します。
パラメータ名のリストが表示されます。各パラメータの名前が白色で強調表示され、現在の設定値が黄色で強調表示されます。制限(または有効値の範囲)、パラメータを設定できる.NCFファイル、および簡単な説明も表示されます。
必要に応じて、任意のキーを押して同じカテゴリ内の別のパラメータを表示します。カテゴリを終了するには、<Esc>を押します。
別のカテゴリを選択するには、上の手順を繰り返します。
NetWare Remote Manager、MONITOR、SETのどれを使って設定した場合でも、多くのNetWareサーバパラメータの設定は永続的です。そうであっても、ネットワーク資料の一部として、最適なサーバ設定を記録する必要があります。
設定可能なパラメータの現在値をファイルに出力して、印刷するには、次の操作を実行します。
NetWare Remote Managerにアクセスします。
ナビゲーションフレームの[Set Parameters]リンクをクリックします。
[Save Settings to a File on Volume SYS:]フィールドで、デフォルトのファイル名(SETTINGS.TXT)をそのまま使用するか、別のファイル名を入力します。
[Save Settings to a File on Volume SYS:]フィールドの右側にある[Save]ボタンをクリックします。
サーバ上のファイルを参照し、印刷します。
DISPLAY ENVIRONMENTおよびDISPLAY MODIFIED ENVIRONMENTという2つのコンソールコマンドを使って、パラメータ値を確認することもできます。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
DISPLAY ENVIRONMENT
各パラメータの名前が白色で強調表示されます。現在値は黄色で表示されます。制限(または有効値の範囲)とデフォルト設定(ある場合)も表示されます。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。 DISPLAY MODIFIED ENVIRONMENT
この表示は、DISPLAY ENVIRONMENTコマンドの表示と似ています。違いは、変更されたパラメータ値のみが表示されることです。
詳細については、『Utilities Reference』の「DISPLAY ENVIRONMENT」および「DISPLAY MODIFIED ENVIRONMENT」を参照してください。
NetWareのデフォルト値は、詳細なテストを経て、優れたパフォーマンスとシステムの均衡を実現するために選択されています。
デフォルト値を変更する前に、パフォーマンスの統計情報をトラッキングし、記録する必要があります。この操作は、「NetWare Remote Manager」または「MONITOR」を使って行うことができます。サーバのパフォーマンスを検討する上で、サーバのログファイルも有効です。「サーバのエラーログを確認する」を参照してください。
デフォルト値は、次の場合に変更します。
たとえば、サーバのハードディスクが低速であったりRAMが不足している場合、デフォルト値を変更することで一時的に状態を補正できます。長期にわたって解決するには、ディスクを交換したり、RAMを追加します。「パフォーマンス特性の一致」を参照してください。
デフォルト値を変更すると、システムの均衡とパフォーマンスが損なわれることがあります。
テストの結果、たとえば、Load Balancing ThresholdパラメータやTransaction Trackingパラメータのデフォルト値は、変更しないことをお勧めします。
設定可能なサーバパラメータのデフォルト値を復元するには、RESET ENVIRONMENTコマンドを使用します。
RESET ENVIRONMENTコマンドを実行すると、変更したサーバパラメータ値ごとにプロンプトが表示されます。
システムコンソールプロンプトで、次のコマンドを入力します。
RESET ENVIRONMENT
最初のパラメータが、変更された値と共に表示されたときに、すべての値をデフォルト値にリセットするか、表示されているパラメータの値だけをリセットするかを選択できます。または、変更されている次のパラメータにスキップすることもできます。
詳細については、『Utilities Reference』の「RESET ENVIRONMENT」を参照してください。
MONITORは、多くの有用な統計情報をレポートし、オペレーティングシステムへのダイレクトコールからの戻り値を元に、秒単位にその情報の多くを更新しています。ただし、すべての統計情報が、ネットワーク管理者にとって等しい価値を持つわけではありません。MONITORにアクセスすると同時に、MONITORの[General Information]画面に主要な動的統計情報が表示されます。この統計情報の詳細については、「監視対象と監視理由」を参照してください。
NetWare Remote ManagerとConsoleOneTMを使っても、サーバのパフォーマンスを監視できます。
初期化の際に、インストールプロセスによって作成された次の2つのサーバブートファイルが実行されます。
STARTUP.NCF. 最初に実行され、サーバのディスクドライバ、ネームスペース、およびいくつかのSETパラメータをロードします。このファイルは、起動ディレクトリのC:\NWSERVERにあります。
AUTOEXEC.NCF. サーバ名とIPXTM内部ネットワーク番号(IPXがインストールされている場合)が格納されており、LANドライバとネットワークボードの設定をロードし、インストールされたドライバにプロトコルをバインドし、他のNLMプログラムをロードします。このファイルはSYS:\SYSTEMにあります。 重要: IPを使用する場合であっても、このファイルに格納されている内部ネットワーク番号が一意なサーバIDとしての役割を果たします。IPはこの番号を使って、互換モードと呼ばれる受動IPXサポートを提供します。
.NCFファイルは、ファイル内のすべてのコマンドを実行します。ただし、コマンドの前に疑問符(?)を置くことによって、コマンドをオプションにできます。手順については、「サーババッチ(.NCF)ファイルの中でコマンドをオプションにする」を参照してください。
SETコマンドによっては、STARTUP.NCFファイルからのみ実行できることに注意してください。SETコマンドをSTARTUP.NCFの中で実行する必要があるかどうかを調べるには、NetWare Remote Managerの中で、パラメータに関する詳細情報を確認します。
SETコマンドが永続的でない場合、サーバを再起動するときにその設定を保持するには、永続的でないパラメータに対応するSETコマンドを、STARTUP.NCFファイルに追加します。
サーバオペレーティングシステムをインストールすると、インストールプロセスによって、時間帯や夏時間、バイナリコンテキスト、およびタイムサーバタイプを制御するSETコマンドがAUTOEXEC.NCFファイルに追加されます。
必要に応じて、他のSETコマンドをAUTOEXEC.NCFファイルに追加できます。サーババッチファイルを変更するには、サーバコンソールでNWCONFIGまたはEditorを使用します。または、NetWare Remote Mangerを使ってファイルを編集し、アップロードします。サーバが再起動すると、AUTOEXEC.NCFファイル内のコマンドによって設定されるパラメータ値が、以前の値を上書きします。